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KUGENUMA-Y


敷地は湘南の海の近く、5層高さ15mのRCラーメンフレームが6層長さ150mの鉄骨スロープを纏った、単純な構成の住宅。最初に施主から求められたのは高さが15mである事、そして何があってもその高さまで登れる事という2点だけだった。これには施主の大らかな生き方と、海の近くで生きてきた覚悟のようなものを感じた。この施主にとっての生きる事を具現化したような力強く、かつ軽やかで大らかな建築がふさわしいと考えた。同時に海に近いこの場所で、建築自身にも生き残っていける強かさが必要だとも感じた。15mのラーメンフレームには溶融亜鉛メッキの施された鉄骨のスロープが巻きつく。エレベーターでもなく、階段でもない単純な坂道であるこのスロープは、どんな時でも必ず各層を経て15mの高さまで届けてくれる。また、この単純な坂道は様々な別の意味でも捉えられる。外部に生み出す拡張空間は上層階でありながら、全ての開口部で掃き出し窓を可能とし、上層での複雑な内外の繋がりを生み出す。それは拡張する床であり、日射を遮る庇であり、安全のための手すりであり、地上からの視線を遮る目隠しとなる。また、天井高の高い1,2層、壁のない3層、トンネルのような4層、東屋のような5層、均質な5層のフレームの中の質の異なる空間に対して、均質な6層のスロープが少しずつずれながら絡みついてくる事で均質なルールの中に小さな歪みを生み出す。同時に、このスロープは住人が建物の隅々までを自分の目で見る事を可能としている。通常、高さ15mの建物の外壁は近くで見る事が出来ず、知らず知らず劣化し建物の寿命を縮めていくが、ここでは常に目線の高さにあり、日常的な確認ができる。メンテナンス工事の際には、高さのある建物は足場も高くなり大きなコストとなるが、ここではスロープが足場となる。住人の生きる事が同時に建築を生かす、そんな単純で複雑な建築を目指している。


建築敷地 : 神奈川県
竣工年月 : 2018年3月
工事種別 : 新築
主要用途 : 専用住宅
主要構造 : 鉄筋コンクリート造 地上4階
敷地面積 : 185.67m2
建築面積 : 69.04m2
延床面積 : 102.89m2
構造設計 : 鈴木啓/ASA 担当:木村洋介 長谷川理男
施工会社 : 大同工業 担当:川上冬樹
写真撮影 : 藤井浩司/ナカサアンドパートナーズ


Location : Kanagawa
Completion : March 2018
Construction type : New construction
Principal use : Private residence
Structure : Reinforced concrete   Four stories
Site area : 185.67m2
Building area : 69.04m2
Total floor area : 102.89m2
Structure design : Akira Suzuki/ASA   Staff:Yosuke Kimura   Michio Hasegawa
Construction company : Daido Kogyo   Staff:Fuyuki Kawakami
Photography : Koji Fujii/Nacasa&Partners Inc.


新建築住宅特集 2018年11月号 掲載


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© KANIUE ARCHITECTS